★キッチン収納の建具と和室の摺上障子製作★
- 新築の御施主様から建設会社を通じてご依頼があり、和室の障子とキッチン収納の建具を製作させていただきました。
キッチン収納の建具は高さ2300mm程の天井まであるハイドア仕様の3本引き戸です。材料は国産の杉の木で内装は白×黒が基調の為、柿渋で染色しました。建具に入っているパネルはシナベニヤを入れ荏胡麻油で素地色に仕上げています。柿渋に染めた建具は古民家などの和風建築色が強くなる印象でしたが、パネルが白系なのでその印象が和らぎ空間に合っていました(^-^)
障子は高さ1200mmほどで、上下に上げたり下げたり出来る『摺上げ障子』を製作しました。材料は国産の杉で心材のみを使用しています。上げ下げすると模様になるようにデザインしました。細工ってほど細かい仕事ではないですが、角度を決めてピッタリ入るようにする所が組子細工の技です。御施主にも喜んでいただけて良かったです(^-^)
最近は建具の背が高い物が増えてきたので、建具の反りを考慮して建具同士の隙間を通常の3ミリから6ミリになるように建設会社の方と打ち合わせしました。近年の住宅は気密性と断熱性が良く、空調設備も整っている反面、建具には負担がかかり反ってしまう事があるので、建具との隙間を多く取るように呼びかけています。昔の住宅は建具の背も2000mm以下が多く、気密性・空調設備も整っていなかった反面、建具には自然な状態な為に負担も少なく反りも出にくかったので建具同士の隙間は3ミリが基本でした。
人間の都合に合わせると木に負担がかかり、木の都合に合わせると人が住みづらくなるようです。。。今回の建設会社の方は腕が良く木の事も熟知していて、こういう事も柔軟に対応して頂けてとてもよかったです。